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県政報告

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石川 憲幸 議員 一般質問(案)

 江戸時代の長期間にわたる鎖国政策の後、明治維新によって開国した日本がみた現実は、力強く発展を続けている西洋との大きなギャップでありました。
 過去のしがらみを振り切り、ダイナミックな変革を選択した日本が近代国家への道を歩み始めたその根底には、「やればできる」という「立ち向かう楽観主義」がありました。
21世紀に入り、井戸新知事を擁する新生兵庫は、「平等から個性への自立志向」、「第3次産業革命とも呼ばれる情報革命への対応」「効率最優先の成長社会から自然や少子高齢化など、ともすれば非効率な現実との共生への転換」など、未知の県政運営に果敢に挑戦していかなければなりません。
 前例にとらわれない斬新的な発想を武器に、自信と誇りという大いなる楽観主義を推進力に、つき進んでいかれることを期待しつつ、質問していきます。

まず、地方分権と市町合併につきまして、2点お伺いしたいと思います。
 1点目は、地方分権における税源移譲と権限移譲の積極的な推進についてであります。
 

 私は、地方分権を「自分たちの地域づくりを自分たちの主体的な取り組みで完成させていく」という自立した自治体運営、正に地方主権として捉えています。
 国と地方の関係を対等・協力の関係へと移行させ、住民主導の個性的で総合的な行政システムへと転換させることを目指し、昨年4月に地方分権一括法が制定されました。これにより、国の機関委任事務が県、市町に移管され、地方分権の歴史的な第1歩が踏み出されました。
 しかしながら、依然として、個別具体的な法令制定に際しては、国に広範かつ一方的な裁量権があるため、地方等の意見がなかなか反映されません。              
 また、財政的に見ても、地方全体の歳出は、国と地方の歳出合計の3分の2を占めているのに対し、歳入、すなわち税収は、地方が全体の約3分の1となっており、収支のバランスがとれておりません。
 このように地方分権とはいいながら、その実態は依然として国の関与が残され、交付金や補助金の影響により、地方の自主的運営とはほど遠い法整備であることは周知の事実であります。
 貝原前知事は、就任当初から地方分権の推進に取り組まれ、全国知事会の地方分権推進特別委員会委員長を務められるとともに、政府税制調査会委員も務められ、まさに地方分権の第一人者として、強力にそのリーダーシップを発揮してこられたのは記憶に新しいところであります。
 井戸新知事におかれましても、是非、自立した地方自治体、地方分権の一層の促進を目指し、国等に対し、さらなる運動を展開していただきたいと思っておりますが、お考えをお聞きいたします。
1 地方分権と市町合併について
(1)地方分権における税源移譲と権限移譲の推進について
(答弁者:井戸知事)


 
21世妃への挑戦への激励、ありがとうございました。
 
わが国の分権改革を先導された貝原前知事のもと、国の地方自治に対する関与や権限を制限することにより、地方自治の確立を目指す中央集権制限法の提案が地方分権推進法に結実し、これが戦後50年続いた機関委任事務制度の廃止に至ったなど、大きな成果をあげることができたわけだが、未だ、国の立法過程に地方の意見を反映させる国と地方の調整システムの確立や、法人事業税への外形標準課税をはじめ地方税源の充実強化など、地方分権の第二ステージに向けた課題が残されているところである。
 
 現在、小泉内閣は、国と地方との適切な役割分担に見合った税財源の配分や地方交付税の見直しなども含め、国民生活全般にわたる構造改革を進めようとしているが、このような改革が成功するためには、改革の具体的内容が各地域の実状に即したものとなることや、分権改革に伴って分権社会にふさわしい行財政システムが確立されることが不可欠である。
 
 すでに、私は、この9月に開催された全国知事会において、今後、構造改革を国と地方が一体となって進めていくめには、国の立法過程における国と地方との調整システムの構築が是非とも必
要であると、小泉総理に直接訴えたところである。
 
 今後、地方分権の一層の推進を図り、憲法の言う地方自治の本旨に基づき、地方の自主、自立をもとに、県民生活の安心・安全を確保する立場から、まず第1にいわゆる構造改革が兵庫をはじめとする地域の実情に即するものでならないということ、第2に財政的関与の機能を有する補助金等の縮減を行い、支出と収入をマッチさせる税財源の国からの移譲を実現すること、第3に国の立法過程における地方からの調整制度の創設を図ること、第4に現在一生懸命に進めている住宅共済制度などについて、国に対して地方から立法イニシアチブのできる制度の創設を図ることなどの提案を行っていく所存である。併せて、分権改革の担い手にふさわしい参画と協働の県政を進め、成熟社会を先導する兵庫型自治の確立をめざしていく考えである。議員各位のご支援とご協力をお願いしたい。
 2点目は、合併重点支援地域の県指定についてであります。  
 急速に進む少子高齢化、国際的な関わりがより深まる産業や農林水産業、そして高度情報社会の到来、世界でも例がなく、その動向が注目されている国内において、今まで以上の効率的な行財政運営が要求されている中で、自らの行政基盤を見直し、建設的な改革を求めようとする自主的な市町合併論議は大変意義深い動きと評価しております。

 そして何より、地方分権が進む中、自己選択、自己決定、自己責任のシステムに裏付けられた、自立した基礎的自治体の総合行政の実現に向け、市町合併は自分たちの地域を改めて見つめなおす絶好の機会となるでしょう。

 メリット、デメリット も勿論大事な要素でありますが、最も大切なことは将来を担ってくれる子供たちにとって、合併が必要かどうかを今の私達のことを横に置いて議論しなければならないということであります。               
 昭和の大合併など過去に行われた町村合併でも激論が戦わされたと思いますが、その際にも建設的な結論で今日の繁栄を享受できているのは誰もが認めるところです。
 平成の合併論議が後世に嘲笑されないよう、全ては次の世代の為に勇気ある変革を成し遂げることが必要だと思います。
 本年8月30日、片山総務大臣を本部長とする、市町村合併支援本部は、「地方の個性ある活性化、まちづくり」を実現するための「市町村合併支援プラン」を策定いたしました。
 そのプランの中で、
 1、都道府県に市町村合併支援本部を置くこと、
 2、都道府県が合併重点支援地域を指定すること、その地域へは
  支援策を強化すること、
などを取り決めています。
 それと同時に、様々な行財政上の支援、必要とされる社会基盤整備の支援、生活環境整備の支援、IT化の支援などかなりの支援策が打ち出され、スムーズな合併推進を応援しようとしております。
 現在、10県、16地域が指定をうけているとお聞きしていますが、兵庫県の合併重点支援地域に対する取り組みをお伺いいたします。

(2)合併重点支援地域の県指定について(答弁者:井戸知事)
 すでに、本年1月に、今後の市町経営のあり方に関する検討指針を作成し、これをいわゆる合併推進要綱と位置づけ、各ブロック毎に、市町や各種団体との意見交換会を実施して、情報提供と課題提起を行っている。
 そこでの議論も踏まえて、去る7月、助言や支援を行う体制として、市町経営のあり方検討支援会議を設置して、今後、地域における具体的な検討状況に応じて、地元の意向や要請に基づき、支援地域として指定することとした。
 こうした中、8月に、すでに法定合併協議会を設置している氷上郡6町から要請があったので、検討支援委員会における協議を経て、このほど、県として支援地域の指定を決定したところである。今後、行財政シミュレーションのモデル調査なども進めながら、広域団体として、県として、積極的な支援と適時適切な助言などを行っていく。
 また、国の市町村合併支援プランの効果的な活用に向けて、関係省庁の予算化や制度化の動きを見極めながら、検討支援会議を支援本部とし、県民局を現地本部として検討と支援を行い、地域の熟度に応じて支援地域の指定に取り組んでいくこととしている。
次に、兵庫情報ハイウェイの利用の推進についてお伺いいたしま
す。

 急激な情報技術の進展を説明するのに、「すいれんの池」という話があります。ある日、池にすいれんの葉がひとつ浮かんでいます。これが翌日には2枚、3日目には4枚、すなわち毎日葉の数は2倍に増えていきます。すいれんの葉が池を覆い尽くすのが30日日だとすると、池の半分がすいれんの葉で覆われるのはいつでしょうか。そう、29日目です。それでは、人はいつ、30日目にすいれんの葉が池を全て覆い尽くしてしまうことに気がつくのでしょうか。勿論注意深く観察している人なら早い投階で予測できるかもしれませんが、多くの人はあまり気づかないのが現実です。なぜなら、すいれんの葉が増殖して10日たっても葉の面積は池の100万分の1、米粒ほどです。20日目になってようやく1000分の1、27日目で8分の1、なんかすいれんが多くなってきたなあ、と思っていたら、28日目で4分の1、29日目で2分の1、これは大変だと気がついた時には、もう池全体がすいれんの葉で一杯、情報技術、特にインターネットの普及はこうした勢いで私達の生活を一変させ
てしまう可能性を秘めております。
 産業や福祉、教育など兵庫県にとって様々な課題の解決方法のひとつとして、現在「兵庫情報ハイウェイ」の整備が平成14年度完成に向けて取り組まれており、非常に時期を得た整備事業と評価しております。
 このハイウェイは、1.8ギガの容量がありますが、これはどのくらいのものかと申しますと、新聞の朝刊1年分を電話回線で送れば13.5時間かかるところが、1.8ギガではわずか2秒弱で送れるというもので、うまく利用できれば、莫大な効果が期待できるものであります。
 ただ、幅の広い高速道路は作っても、インターチェンジを降りて目的地にたどり着くまでアクセス道路が整備されていなければ充分な効果は発揮されず、その高速道路は宝の持ち腐れとなってしまいます。
 ラストワンマイル問題といわれるように、兵庫県内28箇所のアクセスポイントから端末を利用する県民までの最終整備をどのように進めていくのか、その方法によっては、今後のITを活用した県政運営に大きな影響があると思います。
 今の小学校や中学校など柔軟で国際的な感覚を備えた若い世代に情報ハイウェイの持つ能力を最大限活用できる環境整備を進めれば
その効果は、図りしれないものがあるのではないでしょうか。
 また、高齢化社会を迎え、人海戦術を駆使したサポートシステムも大切ですが、情報ハイウェイを利用した双方向テレビのような通信システムで高齢者のきめこまやかなサポートができる仕掛けも近い将来は可能になると思われます。
 ただ、市町や民間活力に期待するのも大切ですが、スケールメリットが確保できず、整備が遅れる地域ができる場合、いわゆるデジタルデイパイドに陥った場合、非常にいびつなIT戦略になると言わざるを得ません。
 そこで、兵庫県各地が等しく情報ハイウェイの効力を享受でき、日々の生活に無理なく利用できるためには、28箇所計画されているアクセスポイントからの積極的かつ安価な整備促進が望まれます。 県民がその効果を最大限に享受できるよう、ひょうごIT戦略の一環としても、積極的な利用に向けての支援が必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
2 兵庫情報ハイウェイの利用の推進について
(答弁者:神田産業労働部長)

 兵庫情報ハイウェイは、大きく言って、2つの目的がある。1つは、県各機関を結ぶ県庁WANや国・県・市町を結ぶ総合行政ネットワークの構築等行政の電子化を進めるということ、2つ目は、県内の地域情報格差解消を目的ということで県民誰もがIT革命の成果を享受できる地域社会を実演するためということで、総延長1,400kmの高速大容量の情報通信基盤を整備するものである。
 この利用に当たっては、ご指摘のとおり、安く使えるというような対応が必要であり、例えば、市町に対しては、総合行政ネットワークへの接続や複数市町が連携した広域的公共ネットワークの構築については、地方交付税の措置がとられるほか、地域イントラネット基盤施設整備事業等国の各種支援措置の活用が可能であり、県として、市町によるこれら支援措置の活用を積極的に支援していきたいと考えているほか、地域情報化の方法等についての市町へのアドバイス等ソフト面での支援を更に進めていきたいと考えているところである。
 また、民間の利用についてであるが、1つはアクセスへの料金が安くなるということで情報ハイウェイについては、県下28ヵ所にアクセスポイントを設置している。この28ヵ所というのは、それぞれのアクセスポイントから15km以内をとると県下全域がカバーできるということであり、15kmというのは、通信のサービスが最低料金ということになっており、県下どこからでも最低料金で活用できるという措置をとっているところである。
 さらに、先ほど、ハスの葉の話もあったが、いち早く対応していかなければならないということだが、こういったアクセス以外に、そこで各地域の民間企業がどういった情報を流すかということが大切になってくるわけだが、今年度から、すでに県としては、中小企業のネットワークの構築に関して10社以上のグループに対し500万円を限度として支援するIT化ビジネスプラン支援事業を立ち上げて、各県民局で精力的な掘り起こしをしてもらった。このたび、緊急対策にあたり、それをさらに拡充して支援することとしている。
 今後、積極的な民間企業の活用を期待しているところである。
質問の3問目は、狂牛病対策についてであります。
 先月、千葉県で狂牛病の疑いがある乳用牛が見つかり、検査の結果、狂牛病であることが確認されました。  
 狂牛病は、感染した牛の肉骨粉の摂取により経口感染するとされており、その牛が、飼料向けとして肉骨粉に加工されていたことから、問題が大きくなり、国民に牛肉等の安全性に対する不安となって広がっているところであります。
 このため、牛肉の価格が下落し、肉用牛の飼育農家が大きな被害を受けております。
 県は、先日、県下の全ての牛を調査し安全宣言をされたところですが、依然として消費者は牛肉から遠のいており、学校給食などでも牛肉を出さない学校が増えております。
 世界に冠たる但馬牛の生産地である兵庫県において、肉用牛の生産に関わる多くの畜産農家にとっては、今回の事件は、非常に影響の大きいのものであり、今後とも、但馬牛を中心とした兵庫県の畜産業を振興するためにも、これら農家への緊急的な支援が必要ではないかと思います。
 そこで、県として、これら生産者に対し、どのような支援を講じられるのかお伺いいたします。    
 また、感染の原因とされる牛の肉骨粉以外、豚や鶏、特に県下においてブロイラー生産の半分以上のシェアを占めている但馬地方の食鳥処理場から出る残さ処理をしているレンダリング事業については、牛の処理でできた肉骨粉と同様の扱いを受け、非常に窮地に立たされています。豚や鶏の専門のレンダリング事業に対する適正な救済措置が必要ではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。         
3 狂牛病対策について(答弁者:北原農林水産部長)
狂牛病疑似患畜の発生以来、肥育農家においては、牛肉消費の減退による枝肉価格の低下、また、食肉センターでの検査体制が整備されるまでの間、30か月齢以上の牛の出荷・と畜が自粛されたことによって、販売頭数の減少、飼料費の増加等を来たし、その経営が
圧迫されてきている。一方、繁殖農家においても、今後、子牛価格の低下が憂慮されている。
 このため、畜産農家に対しては、今回の国の緊急対策である出荷延長の牛に対する飼料費助成、運転資金の融資、また、既存の肥育肉用牛価格安定事業等の活用を指導するとともに、各種の支援策、価格動向等の情報を発信していきたいと考えている。
 レンダリング事業者については、牛だけでなく鶏、豚も含め肉骨粉が10月4日以降、当分の間、販売できなくなったので、国の緊急対策による運転資金の融資制度などの救済措置の活用を指導していく。
 今後、状況の推移を見ながら必要に応じて国に対して新たな支援措置の創設等について要望していく。また、消費者の不安解消を図るため、防疫対策の強化、食肉検査体制の整備と併せて消費者への安全性等に関する正確で総合的な情報の提供を早急に行うこととしたいと考えている。
 大きな4問目は、私の地元で進められております「丹波の森構
想」が地域活力を促進する具体的方策についてであります。

 1988年、北摂丹波の祭典を契機に推進されている「丹波の森構想」も12年目を迎え、みどり条例や国道のグリーンロード整備、兵庫県初の生活創造センター「丹波の森公苑」の整備など人と自然と文化の調和した快適な生活創造空間の実現に大いに貢献して、丹波の人々にもようやく生活と密着した理念として、認識されはじめました。強力な推進者であった貝原前知事の後、井戸新知事におかれても、引き続き兵庫県の心のオアシスとしての丹波の自然と心の豊かさを大切にした地域づくりにご尽力いただきたいと思います。
そのためにもさらに具体的な方策を盛り込みながら、住民の「参画と協働」をベースに一層の発展を願い、質問いたします。
 
まず1点目は、森林整備に民間林所有者が取り組み易い環境創りについてであります。                      
 兵庫県の67パーセントを占める森林の整備については、井戸知事が副知事時代に地域夢ビジョン会議で兵庫県各地を回られ、どの地域からももれなく問題提議されたと聞いております。それだけ兵庫県民にとって最大の関心事であり、特に丹波の森構想を声高らかに標榜する丹波地域にとっては、活力の源泉ともいうべき課題であります。
緊急間伐5ヵ年対策に基づいて、兵庫県内においても平成12年、13年と間伐事業が行われ、一定の整備効果はあがっておりますが、面積にすると3万4千ha、これは必要とされる面積5万3千5百haのまだ6割でしかありません。
 森林の中で、個人所有林、すなわち民有林は、全体の約95%と、その大半を占めておりますが、間伐に対する助成制度はあるものの、それらを利用しても赤字となることから、その整備をどう積極的に進めていくかが、今後の大きな課題になってこようかと思います。
 しかし、自分の心がどこにあるのか、何が植えられ、どれぐらい育っていて、今どんな手入れをしなければならないのか、それすらも理解していない所有者が相当数に及んでいるのが現状でしょう。
 森林整備に民間活力を積極的に導入するためにも、民間所有者に自分の持ち山の現状と打つべき対策、どれくらいの状態まで育っていて、どれくらいの費用で整備をすればどれくらいの値打ちにまで回復するか、など投資意欲をわかせるような情報提供をすることが効果的なのではないでしょうか。
 県民局の農林事務所と各市町の森林組合とのタイアップ、またNPOなどとの連携など組み合わせは様々でしょうが、多少なりとも雇用対策にもなり、効果は充分期待できるでしょう。是非前向きな取り組みをお願いしたいと思いますが如何でしょうか。
4 「丹波の森構想」が地域活力を促進する具体的方策について
(1)民間林所有者が森林整備に取り組み易い環境づくりについて
(答弁者:北原農林水産部長)

 森林整備の推進については、所有者の世代交代、木材価格の低迷が長引いていることもあり、林業の経済性への期待が失われるに伴って、山村地域でさえ森林そのものへの関心が薄れつつあるのが現状である。                         
 このため、県では、従来から、森林の資源調査結果の市町・森林組合への提供、林業改良指導員による森林所有者の経営相談、集落単位での間伐指導の実施、林業研究グループ・指導林家など地域リーダーの育成に努めてきたところである。        
 今後は、これらに加えて、効率的な間伐方法などを内容とする間伐診断の森林所有者への提示、インターネットなどを駆使した所有境界・森林資源の状況、各種助成措置などの情報の提供、更には現在国が検討している森林所有者による森林の現況把握などを支援する交付金制度の内容などの周知について、県民局・市町・森林組合等が連携を強化して取り組むことによって森林所有者の施業意欲の喚起に努めてまいりたいと考えている。
2点目は、兵庫県の食料自給率を向上させる情報ネットワークシステムについてであります。
 今、全国のカロリーベースでの食料自給率は40パーセント、わが兵庫県においてはなんと17パーセントという危機的状況になっております。農林水産省においても食料安全保障の観点から2010年までに食料自給率を45パーセントにまで引き上げる目標を立てていますが、兵庫県においても阪神地域という大消費地を抱え、安全で安心な農作物を求める声が高まる中、食料自給率の向上に向けての一定の目標を定めて、県内生産者と県内消費者との継続的、発展的な出会いの場を提供するべきではないかと思います。
片や、有機農法や減農薬農法などで、味や安全性には絶対の自信をもっているが、その値打ちをわかってくれないと嘆く生産者がいます。片や、どこの誰がどのようにして作ったかわからない農作物なんて信用して食べられない、子供に食べさせられないと嘆く消費者がいます。私はこのミスマッチがどうしても納得できないのです。
 平成12年度に策定された「ひょうご農林水産ビジョン2010」の中でめざす姿として、「成熟社会を先導する生活産業としての農林水産業の展開」、その推進方策として、「いのちを支える食関連産業の振興」をかかげ、その中に、「食品産業における県産食材の利用と多様な流通の推進」とあります。
 兵庫県内で自信を持って生産された農林水産物を原料とする「ふるさと食品」や「ひょうごブランド商品」などについて、県内加工業者はもとより、外食産業そして一般消費者へとより強力にコマーシャルする必要があります。先ほどの項目でも取り上げた兵庫情報ハイウェイの整備等、格段に進む高度情報技術を大いに活用し、生産者と消費者の距離がすこしでも縮まり、本当に安全安心な物は何かという確かな情報と現物を手にされることが重要だと思います。
 農林水産業も今や国際競争の時代に入り、厳しい価格競争によって、生産者の体力が急激に落ちてきている今こそ、県内流通を早急に再構築するべき時期にきているのではないかと思いますが、県のお考えをお聞きいたします。
(2)食料自給率を向上させる情報ネットワークシステムについて
(答弁者:北原農林水産部長)

 近年、食品の流通は、これまでの市場流通を主体とした流通から、生産者や実需者との直接取引など市場外流通のウェイトが高まるなど多様化してきている。これに対応した産地情報、消費者ニーズなどの適確かつ迅速な情報の相互交流が重要な課題となってきている。
 このため、生活協同組合と農協・漁協との提携、生産者と消費者との交流、最近では生産者・流通業者・実需者によるインターネットサイトの開設など、主体的かつ多様な情報交流の取組が展開されている。                
 県としても、このような取組を一層促進していくために、本年12月に開設予定のひょうごの食材等インターネットモールの中の消費者と生産者とのコミュニティサイトの設置、また、県が定めた安全基準を生産者が自主検査をし県の認定を受けた、ひょうご安心ブランド食品などの積極的な情報の提供、加えて、現在策定中の県卸売市場整備計画の中で検討を進めているITを活用した県内市場と産地のネットワーク形成の取組指針の提示など、生産から消費に至るまでの情報交流をより活発化することによって、県内食料自給率の向上、流通の円滑化、消費の活性化などに寄与してまいりたいと考えている。
最後の質問は、有害鳥獣対策の短期的解決と長期的解決について
であります。

 シカによる被害については、10月2日の石堂則本議員からの質問にもありましたように、深刻な事態に陥っていて、被害にあわれている生産農家にとっては死活問題と言えましょう。各町の猟友会の協力による頭数制限や防護ネットなど短期的な対策は講じていますが、動物にとっては、こちらも死活問題であって、なんとしてでも餌にありつかないと 自分たちの命がないということで、どんなに防護してもあの手この手で農作物を確保しようと必死になり、根本的な解決策が見出せないままとなっております。戦後焼け野原となった国土の修復のため、極端な材木需要が起こり、全国各地で雑木林を杉、ひのきなどの経済林に植林しなおした結果、本来、高木層、亜高木層、低木層、草木層(そうもく)、こけ層の5層構造になるべきはずの山林が全て高木となり、低木、中木から木の実などの餌を確保していた山の動物たちは食べるものがなくなり、止む無く、里山へと移動し、農作物をめぐって私達との摩擦状態に陥っているわけであります。例えば、鹿は2本足で立てないため、2m以上の高さにある木の実などの餌は確保できない習性があります。短期的な解決策としては、前述の方法が良策でしょうが、長期的に考える黠
と、また人間と動物との「共生」という観点から考えると、お互いが満足する解決策を考案しない限り、永遠に山の動物との心痛む格闘がつづくように思います。
 そこで、彼らとの共存を図るために、動物の生態や食性、良好な森林形態を科学的に解明し、かれらにとって理想的な居住環境を作り出すための試験研究機関の整備がどうしても早急に望まれます。試験研究のため、短期の研究成果は期待できませんが、多少時間がかかっても、必ず全国でも注目される結果が求められ、森林整備にも大きな指針となるでしょう。是非早急な整備を実現されますよう希望いたしますが、お考えをお伺いします。
これで私の質問を終わります。
ご静聴ありがとうございました。
(3)有害鳥獣対策の短期的解決と長期的解決について
(答弁者:井戸知事)

  かつて、人間は自然の恵みを受けながら、シカなどの野生動物と共に暮らしていた。しかし、開発等により里山の生態系が大きく変化した結果、野生動物の絶滅が危ぶまれる一方、自然の中で生息が困難となった野生動物は人里に餌を求め、農林産業に大きな被害をもたらす現実にもたらしている。
  これは、自然と人との関係からすれば、どちらかといえば人に責任があると言えるのではないか。
  このような状況を解決し、人と野生動物との共存を図るため、科学的な根拠をもとに野生動物の生息に影響を与える人為的な行動を管理・調整するワイルドライフ・マネージメント、野生動物管理手法の導入が不可欠であると考える。
  これを実現するためには、野生動物の生息実態を把握し、生息地・個体数・被害管理技術、これを担う人材養成などを行うことが必要であるし、また、このシステムを動かすための広く県民の合意の形成が不可欠である。
 県としては、中長期的な視点から調査研究を行うため、現在、丹波地域を候補地として野生動物ふれあいの郷公園の整備につき、各分野の専門家で構成する検討委員会を開催し、検討を進めているところである。
  今後とも、地元の意向や協力を得ながら、人と野生動物とが調和的に共存できる先導的な共生システムの確立に向けて努力していきたい。

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