おはようございます。今回4度目の一般質問をさせていただきます、氷上郡選出の石川憲幸でございます。どうぞよろしくお願いします。
さて、中央集権体制は、第2次世界大戦によって壊滅的打撃を受けた日本を、「世界の奇跡」とまで言わしめるほど急速に復興させることに大きな役割を果たしてきました。しかしながら、都市部を中心として一定水準の生活環境が整備されたこと、世界の工場として良い物を安く供給するという日本の役割が変化しつつあること、国民のニーズが多様化してきたこと、などに加えて、バブル崩壊後の景気の低迷で、国、地方自治体の財政状況は悪化の一途を辿り、もはや国民の協力なしでは立ち直れない危機的状況にまで落ち込んでしまっています。このような今日において、従来のような中央集権的、画一的な行政運営では満足度の高い効果が得られない状態になってしまい、地方分権の流れが起こるのは、必然的だと言えます。国からの支援の受けてであった地方自治体においても、今までの中央に寄りかかった体質から脱却して、より主体的な考え方に思考を転換すべきだと考えるところであります。
私は、「自主独立」「自立的な行政運営」こそが地方自治体の目指す理想の姿だと思っております。そのためには、住民が自治体運営に強い関心を持ち、ともに事業を推進していこうとする「地域力」を高めていくことが何より大切ではないだろうかと考えます。地域力には、行政力と住民力、経済力、教育力等が考えられますが、現在、井戸知事は「参画と協働」の理念をより具現化しようと、本定例会において「県民の参画と協働の推進に関する条例」を提案しておられます。このことは、まさにこの「地域力」をアップさせることと本質的には共通のものだと思います。
それではいかにして「地域力」を上げるのか、また県は「地域力」を上げるためにいかなる支援をするべきかについて、具体的な提案も交えながら、質問させていただきます。
質問の第1は、市町合併に対する財政的支援の強化についてであります。
地域力を上げるためには、行政力の向上が不可欠ですが、行政力の向上に対するひとつの手段として市町合併があります。
合併特例法が平成11年に改正されたことに加え、市町をとりまく社会、経済状況の変化によって、徐々に高まってきた市町合併の動きも平成17年3月の合併特例法の期限が迫る今日に至って、急速な動きをみせております。本年10月1日現在、全国で519の市町村で法定合併協議会が設置され、この519市町村を含め、全国の8割以上に及ぶ2,647市町村において合併協議会、研究会の立ち上げなど合併に関する具体的な取り組みが進んできています。
本県においても、私の地元、氷上郡において本年10月5日、法定合併協議会の2年に及ぶ議論を経て、法定協議会委員36人全員の賛成をもって、大枠で「是」の方向が示されました。
これから、50数項目に渡る協定項目について、細かいすり合わせ作業が行われるのと並行して、新市建設計画の作成過程のなかで、合併特例債の活用も含めてハード・ソフト両面にわたる氷上郡独自の施策が大いに議論されるべきだと考えているところであります。
しかしながら、500平方キロにも及ぶ広い面積を持つ氷上郡だけに、例えば地域間交流のためのアクセス道路の整備や地域外との連携強化などでは、むしろ県が事業主体になってほしいという期待が大きくふくらんでおります。平成13年9月に兵庫県初の「支援地域」の指定を受けた氷上郡についても、また本年、「支援地域」の指定を受けた他の地域についても、合併を支援する上から、合併特例事業の重点的な執行を含め、県として幅広い積極的な支援策を進めるべきだと思いますが、いかがお考えか、当局のご所見をお伺いします。
質問の第2は、住民力の向上に関係する現地解決型県民局の強化についてであります。
平成13年度からスタートしました現地解決型の県民局体制は、井戸知事が進めておられる「参画と協働」の理念の具体的施策として大いに評価されているところであります。
平成14年度においても、地域ビジョン推進プログラムの実現に向け、県民行動プログラムと共に地域行政推進プログラムが策定され、各地域のオリジナルな事業が、実行段階に入っているところであります。地域ビジョンの実現、地域課題の解決の為の地域戦略推進費、3500万円も有効に使われているところでありますが、来年度は更に現地解決を定着させるべく、予算の増額を図るべきだと考えます。
それに加えて、県民局が事業執行機関としてだけではなく、その地域に適した施策・事業を企画立案する能力を兼ね備えた機関として機能する為の人的体制強化も進めるべきだと考えます。
県民局が政策提言能力を発揮するためには、その地域に長く関わっている職員もそれぞれの地域事情を十分把握しているという点から大切でありますが、違った角度から、新しい視点で地域を見つめ、斬新な発想の元に、施策・事業を企画立案することも重要だと思います。そのような観点から、本庁と県民局との人事交流をより活発に行うことも大切ではないだろうかと考えます。
そこで、現地解決型県民局体制の財政的強化、人事交流による人的強化について、どのように考えておられるのか、ご所見をお伺いいたします。
質問の第3は、住民力の一つとして地域で行われている交通安全推進活動の強化についてであります。
今年1月から10月までの間に、交通事故によって死亡された方は全国で6,707人、人身事故による負傷された方は957,639人にも達しております。兵庫県におきましても、死亡された方は239人で全国でのワースト順位は10番目、負傷された方についても44,034人とこれも全国第7番目と大変厳しい数字になっております。
そのため、現在、警察署、県民局、市町、そして県下各地57に及ぶ地区交通安全協会などが連携して、交通安全推進活動を強力に展開しているところであります。
とりわけ地区交通安全協会は、地元警察署との強い連携のもとに、各地域の特性に応じた活発な交通安全推進活動を行っておられますが、交通安全協会と県民局との連携が若干弱いように感じられます。
また、地区交通安全協会の活動はボランティアが主体であり、その財源確保は非常に厳しく、どの交通安全協会でも、その活動資金が非常に脆弱になっているため、啓発用品の購入もままならず、これまでのような効果的な交通安全推進活動を実施することが難しくなってきているのではないでしょうか。
そこで、交通安全県民運動をはじめとした交通安全意識の高揚について今後どのように取り組んでいこうとされておられるのか、また併せて、交通安全推進の為に地区交通安全協会に対するどのような支援措置をし、活動強化を進めていこうとされているのか、当局のご所見をお伺いします。
第4に、地域力の大切な要素、経済力、それも地域経済力の向上に関わる中小企業の支援について伺います。
政府は11月の月例経済報告の中で、「景気は、引き続き持ち直しに向けた動きが見られるものの、そのテンポはさらに緩やかになっている」とした基調判断を示しております。また7月から9月の四半期における実質GDPの成長率は、前期比で0.7%、年率で3.0%になったとの速報を発表しております。
しかし実態はそんな生易しいものではありません。確かに東京、大阪など大都市圏では、大幅なリストラや海外への生産拠点の移転、下請企業への度重なるコストダウン要請などで、若干の利益回復が見られるでしょうが、地方経済においては、中小零細企業を中心に戦後最悪の状態が依然として続いており、もはや限界にまで達しているのが現状です。
企業信用調査会社による本年10月の倒産状況報告でも「倒産件数は3ヵ月連続の前年同月比減少だが、負債総額は1兆円を超え、10月としては戦後2番目の高水準」でまた「『ものが売れない』『焦げ付きが発生した』などの不況要因によって倒産に追い込まれた企業が全体の4分の3以上を占める」としています。
そのような現状を踏まえて、県においては、産業労働部を中心にさまざまな経済・雇用対策を講じていただいているところではありますが、現下の経済・雇用状況は依然として厳しい、というのが実情ではないでしょうか。
新産業創造事業もしっかり支援していくべきでしょうが、中小零細企業にとって全く未知の分野に業種を転換することには誰もが二の足を踏んでしまうでしょう。そこで、現在行っている業種は変わらないけれど、新しい製品や二次加工、三次加工など、さらに付加価値をつけていくような分野に取り組もうとしている前向きな動きに対して、更なる支援を行うべきではないかと考えますが、当局のご所見をお伺いします。
質問の第5は、経済力に関係する信用保証協会のあり方についてであります。
不良債権処理が本格的に進められようとしている現在、金融機関からの融資は今後も厳しく査定されることが予想される中、県の信用保証協会に対する期待は日に日に増しております。しかし現実には金融機関と同様に審査が厳しく、利用し難いとの声もあります。確かに代位弁済を増やすことは避けなければなりませんが、このままでは強い意欲と高い技術力を持つ有能な中小企業までも見殺しにしてしまう事にもなりかねません。
そこで、不動産や金融資産などの従来型評価から、経営者の人的信用、経営方針や技術力、取引実績など企業の潜在的ポテンシャルを従来以上に保証審査基準に取り入れる方向に修正すべきではないかと考えますが、当局のご所見をお伺いします。
最後に、地域における教育力、特に高校教育について2点お伺いします。
高校教育の1点目は県立高校の今後の進む方向についてであります。
現在の県立高校においては、あらゆるニーズの生徒を受け入れる方向で学校運営が進められているように感じられます。その結果、個性的な学校運営がしにくく、より専門的な授業を受けたいと熱望している生徒は私立高校への進学を希望し、その個性を大いにのばしているように思います。少子化の影響で、私立高校も相当な危機感を持って生徒の受け入れに努力しておられます。本当に勉強をしたいと思ったり、スポーツで頑張っていこうと思う生徒は、私立高校に進学するという傾向が更に増加していくのではないかと懸念しているところであります。
そこで、より高度な教育を受けたいとの意欲を持って進学する生徒に対してしっかり対応できるよう、県立高校がその内容を充実することが必要ではないかと思います。特に、私立学校が少ない郡部においては、県立高校の役割は、なおさら重要な位置を占めております。
生徒の将来の目的、進路希望に応じたクラス編成の導入など柔軟な学校運営を積極的に進めるべきではないかと考えるところでありますが、当局のご所見をお伺いいたします。
高校教育の2点目は高校生のマナーについてであります。
現在、高校においては授業を進める前に生活指導、すなわち授業を受ける雰囲気作り、躾をしなければ授業が成立しないクラスが相当数あるときいています。通学時においても、電車の中で大声で携帯電話をかけていたり、コンビニの前でたむろして座り込んでいるなど、目に余るマナーの低下が指摘され、住民からかなり厳しい苦情が寄せられていることも耳にします。
学校の先生や保護者の皆さんが一緒になって登下校時に指導にあたっていただいている場合もあるようですが、その成果は上がらず、かえって反発を招いていることがあるのも現実のようです。
子供は親を見て育つといいます。子供のマナーの問題は、本来、家庭の問題であり社会全体の問題でもあります。家庭において小さいころからマナーを教えるべきであり、高校教育の場において取り組むのはいかがかという視点もあるでしょう。しかし、このまま放置できる問題ではないとも思います。
県におかれては、このたび「高校生マナーについて考えるフォーラム」を開催されるとお聞きしました。高校における取り組み方法は大変むずかしいと思いますが、生徒にマナーを考えさせることも大切ではないでしょうか。そこで、当局におかれては、高校生のマナーの問題について、どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いいたします。
さて、地域力を向上させるためには、今まで申し上げてまいりましたように、行政力、住民力、経済力、教育力などその地域に関わる全ての力を結集する必要があります。そしてその力を融合させるのが政治力ではないかと思っております。
ところが、今までの政治力とは、時代の要請があったこともあり、ともすればあらゆる手段を用いて予算を奪い取ってくる予算獲得型やいろんな権限で予算をばらまく予算分配型が主流ではなかったでしょうか。確かに予算なくして事業は行えない訳でありますから、ある面ではそれも政治力と言えるのかもしれません。しかし、成熟社会を迎えた今、少ない予算でより効率的な事業運営を目指す「自立的自治体運営」が理想だとするならば、これからの政治力とは、より効率的で満足度の高い事業を提案したり、住民自らが自主的に行動を起こす仕掛け作りを呼びかけるような「付加価値創造型」の政治を目指すことも重要なのではないでしょうか。
2006年をピークに人口が減少に転じるのが確定的となった事や、国際間競争が一段と激化して輸出という強力な牽引力が期待できないこと、しばらくデフレ傾向が反転しない経済状態などを踏まえ、大きな税収の伸びが期待できない今の現状から考えて、言わば自治体同士の知恵比べ、自治体間の競争の時代になったと言えます。わが兵庫県がどれだけ時代に即し、知恵を発揮して効果のある事業を行っていけるのか、井戸知事を先頭として、県当局の皆様には、ぜひ積極果敢に挑戦し続けていただきたいと思います。
私も「付加価値創造型」の政治を目指す一議員として、そして兵庫県に住む県民として、是非共に参画したいと思っています。
ご清聴ありがとうございました。
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