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多くの傍聴者の皆さんが温かい声援を送っていただいて、大変心強かった。」と非常に満足した様子だった。提言の早期実現に向けて、引き続き当局と連携して努力していくと決意を新たにしていた。
質問、答弁の内容は以下の通りです。
前文
(石川憲幸)
地方分権を語る時、国と地方の関係はよく親子に喩えられます。地方自治法が施行されて50年以上がたちます。国という親から補助金という小遣いをもらって、その使い道まで細かく指示されている状態が50数年続いてきました。高度経済成長の時代には、地方もまだ10代の少年、20代の青年で、国・地方ともに財政規模が伸びていく中で親子関係は至って良好だったと思います。しかし地方が50歳を過ぎた今日、そろそろ熟年にさしかかろうという時期にも拘わらず、この親子関係は基本的に変わらず、「親離れ」「子離れ」が進んでいないのが現状です。
平成7年に地方分権推進法、平成12年に地方分権一括法が制定され、ようやく第1次分権改革、いわゆる1回目の子離れが進められたというところでしょうか。
さて、本年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」いわゆる「骨太の方針2003」において、三位一体改革の方向性が示され、ようやく第2次分権改革、いわゆる2回目の子離れのスタートラインに立ったところです。しかし議論されている内容を見ると、地方分権推進というよりも国の財政再建に主眼が置かれているように感じます。
そうしたなか、最近、どの都県とは申しませんが、マスコミ受けを狙ったパフォーマンスを展開する知事が数多く見受けられます。自治体のリーダーとしての本来のあるべき姿を問い直す声も聞かれます。
井戸知事におかれましては、単なる大衆受けのみの言動は慎んでいただかなければなりませんが、さらに良質な分権改革を進めるために、一層「闘う知事」という強い姿勢で、厳しい議論や取組をしていただくよう、心から期待しております。
地方分権とは、財源の分捕り合戦ではなく、時代や社会の変化の中で、地域住民の思いを実現するための地域結束力を高めることだと思います。井戸知事の真に分権改革推進のための取組であれば、きっと兵庫558万県民は、阪神タイガースの応援団に優るとも劣らない、一致結束した応援をしてくれると思います。21世紀型の地域社会に向けた改革の志、力強いリーダーシップをさらに期待しな
がら、以下質問に入りたいと思います。
1、教育あるいは青少年の健全育成に対する地域の関わりについて
質問の第1は、教育あるいは青少年の健全育成に対する地域の関わりについてであります。
兵庫県では、現在教師と生徒、そして保護者の三者が中心になって教育活動を展開していますが、開かれた学校づくりを進めていく中で、地域住民も積極的に教育活動に関わり、地域上げて子どもたちを育てる体制が大切だと指摘されています。 しかし、多くの地域住民は依然として学校とどのような関わりを持ったらよいのか、具体的な対応を見出せないまま、学校を遠巻きに見ているというのが現状ではないかと思います。 そこで以下のような取組について提案し、ご所見をお伺いしたいと思います。
(1)「オープンスクール週間(学校公開週間)」について
(石川憲幸)
まず1点目は、オープンスクール週間(学校公開週間)の全県的取組についてであります。 近年、全国的に青少年、特に中学生による問題行動が続発し、憂慮すべき状況が生まれています。この7月に起こった長崎市の幼児殺害事件や、沖縄県で中学2年生の生徒が殺害された事件でも13歳の少年が犯行グループに加わっていた事件などは、まだ記憶に新しいところです。 思春期における性衝動や攻撃性が旺盛な時期である中学生が、健全に育つためには家庭、学校、地域が、もっと密接な連携を図っていくことが大切だと思います。本県で平成10年度から始まった「トライやる・ウィーク」もその一環で、大きな成果を上げていますが、「トライやる・ウィーク」は中学生が地域社会に飛び出して、様々な体験活動を通じて、豊かな感性や創造性を高めたり、自分なりの生き方を見つけられるよう地域が支援していく事業です。 しかし、地域が学校に入っていくということからはどうであったでしょうか。小学校は、地区の運動会などで、親や地域の皆さんが学校と関わる機会が比較的多いと思いますが、中学校においては、そういった関わり方が極端に少なくなってまいります。 そこで、今度は、学校の中の子どもたちの様子を、全ての親や地域の皆さんが参観し、子どもたちに「自分たちのことを、親や地域の人たちが見守っていてくれるんだ」という意識を持たせるオープンスクール週間(学校公開週間)を、全県的に導入してはどうかと提案したいと思います。 具体的には、他府県で制定されている「教育の日」という取組の中で行なわれているように、学校とPTAが連携して、1週間、普通通りの授業や休み時間、給食などの様子を保護者、行政、議会、地域の皆さんが、交代で参観してみたらどうでしょう。また、この時に学校側との意見交流の場を持つことも良いと思います。生徒や教師は緊張とともに学習意欲を発揮する機会ともなりましょう。特に、参観する保護者や地域の皆さんにとっては、学校
への深い理解を増すきっかけにもなると思います。そして結果的に学校、家庭、地域のさらなる信頼関係の構築に役立つと考えます。 すでに各地域において一部の小・中学校で、一定期間の学校公開が実施されているとお聞きしていますが、これを他府県の「教育の日」の制定に見られるような取り組みとして、県下全域ですべての学校で実施していくような、教育の県民運動として推進してはどうかと考えます。県のお考えをお聞きしたいと思います。
(1) オープンスクール週間(学校公開週間)の全県的取組について
(答弁者:武田教育長)
学校が保護者や地域住民の信頼に応え、創意工夫をこらした教育を展開する上で、開かれた学校づくりへの取組は重要なものであると認識いたしております。 このような観点から、本県におきましては、PTCA活動への支援や「学校評議員制度」の導入など、住民が学校運営に参画する機会の拡充に努めますとともに、地域住民が学校の教育活動に直接関わる「トライやる・ウィーク」や「いきいき学校応援団」等の取組を進めているところでございます。 ご提案の「オープンスクール週間」は、授業をはじめとする学校の様々な教育活動をありのままに地域住民の皆さん方に見てもらい、学校を身近に体感していただき、県民全体で子どもたちを育もうという機運を醸成する上で有意義な方策と受け止めているところでございます。 このため、本年11月実施を予定いたしております「県民すべてがかかわる兵庫の教育推進キャンペーン」において、地域教育推進委員が主体となって実施をいたしますフォーラムや「開かれた学校づくり」に向けて、各学校で実施する取組や行事の中で、オープンスクール週間について、先行的な取組の事例の紹介やその在り方について、県民の意見を聴くなど、全県的な「学校公開週間」や「教育の日」の設定等につきましても検討を進めて参りたいと考えておりますのでよろしくお願いしたいと思っております。
(2)「ミニコンサートの全県導入」について
(石川憲幸)
2点目は、ミニコンサートの全県導入についてであります。
子どもの情操教育向上のために芸術、特に音楽は大きな効果が期待できます。 もちろん子どもたち自身が音楽の授業を受けることで、それなりの成果を上げていますが、できることなら、プロの演奏家を学校に招聘して、授業の一環として演奏を身近なところで鑑賞させることも、自らが演奏したり、一流の演奏をレコードやCDで鑑賞するより、より深い教育効果が期待できます。また地域で活躍している演奏家を学校に招き、住民とともに鑑賞すれば、開かれた学校づくりをさらに促進する機会にもなります。
現在丹波では、キン・コン・カン・コンサートといって、演奏者の近くでという(キン)、コンサートをという(コン)、鑑賞するという(カン)、合わせてキン・コン・カンコンサートという試みを既に8年の実績を持つシューベルティアーデのメンバーが年間5箇所の小中学校で実施しています。1回におけるコンサートは40分から90分。1回2名程度の小編成で学校に出向き、クラス規模の子どもたちの目の前で、その息遣いや指の動き、音楽を奏でる表情などを体感してもらっています。
普段接する機会の少ないプロの歌や演奏をステージと客席というかしこまった場所ではなく、授業の一コマとして、教室などアーティストと同じ目線で本当に手の届くような身近なところで鑑賞することにより、子どもたちに深い感動を与え、情操教育にも良い影響を与えるはずです。
兵庫県内にはプロの若手声楽家、演奏家が多く在住され、県下の小中学校との連携は比較的簡単に取れるのではないでしょうか。
子どもの情操教育向上のためにも、またプロの声楽家、演奏家が学校に入っていくという意味では開かれた学校づくりとして、このミニコンサートを全県的に是非導入したらどうかと考えますがご所見をお伺いいたします。
(2) ミニコンサートの全県導入について
(答弁者:井筒県民政策部長)
阪神・淡路大震災で体験いたしましたように、芸術文化というのは、明日への希望あるいは元気を育む源でございます。とりわけ小・中学生、いわゆる人格形成期における情操教育の面で非常に重要な役割を果たすものというように考えています。このため、県としてもこれまでから、小・中学生を対象に優れた舞台芸術を提供いたします「県民芸術劇場」の学校公演をはじめとして、県立ピッコロ劇団によります出かけていく公演あるいはワークショップ等を実施しておりますし、今年度からは、新たに地域の専門家等の応援を得て子どもたちが地域の伝統や文化を体験をする「土曜いきいき教室」も開催してございます。また、平成17年度には「芸術文化センター付属交響楽団」が発足いたしますので、全県下での青少年向けのコンサートの開催や、地域のイベント等への小グループの派遣などを計画しているところでございます。 こうした中で、いま、「芸術文化振興ビジョン」の策定を進めておりますが、その議論の中でも、学校教育への取り組みでありますとかあるいは芸術家が地域や学校に出向くいわゆるアウトリーチの重要性が指摘されております。今後、新進の芸術家に発表の機会を与えるということで「さわやかステージ」をやってございますが、そういったリストなども活用しながら、若手芸術家の学校や地域への派遣について、積極的に検討していきたいというように思っております。
(3)「通学合宿の導入」について
(石川憲幸)
3点目は、通学合宿の導入についてであります。
核家族化や地域社会のあり方、大人の視点を中心としたまちづくりなど、子どもたちを取りまく社会的環境はさま変わりをしています。子どもたちが身近に祖父母や地域の大人と接する機会は少なくなってきています。また、地域の子供たちが集団で遊んだり、年齢を超えたつながりの中で、小さい子どもたちの面倒を見たりすることも少なくなってきているように思います。
こうした中では、地域の中で子どもたちが交流を深める機会を増やしながら、地域社会全体で青少年を見守り育てていくしくみづくりを積極的に作っていく必要があるのではないでしょうか。
そこで私は、1つの試みとして通学合宿を提案したいと思います。
具体的には、1週間程度の期間、地域の小中高校生が地元の公民館などに宿泊しながら、各学校に通学します。それぞれが役割を決めて炊事、清掃、身支度などの生活体験活動を行います。また地域の家庭でもらい風呂をして交流を深めます。学年の違う仲間で自由時間を楽しく過ごしたり、お世話になった地域の人たちと交流会を楽しむイベントを計画して、ふれあいを楽しみます。
家庭と違う生活体験を通して自主性を養うと同時に、異年齢の子ども集団の中で、一緒に遊んだり活動したりすることを通じて、自分の役割や小さい者への思いやりなども学ぶでしょう。協調性を大切にする気持ちを育むという狙いもあります。また、地域の大人に声をかけられたり注意されたりする中で社会性も身についてくるのではないでしょうか。さらにふるさとを愛する心も養われると思います。
かって、薩摩藩には「郷中教育」という制度があったとお聞きをしております。
地域の中でそこに住む青少年たちが自発的に学習団体を編成し、学舎で学ぶ。その中で、年長の子どもたちが年少の子どもたちの教育や面倒をみるというものであったようです。
現代の子どもたちを取りまく社会的環境の中にも、学校だけでなく地域の中で異年齢の交流のできる場づくりを意識的に作っていくことが大切であります。異年齢交流の通学合宿の導入あるいは支援について、県のお考えをお伺いいしたします。
(3) 通学合宿の導入について
(答弁者:井筒県民政策部長)
「通学合宿の導入について」でございますが、まさに、21世紀の主役、子どもたち、これをどう健やかに育んでいくか、その中で、自然あるいは社会に学ぶ体験教育とともに、地域教育の推進ということが非常に重要であるということで、県としても力を入れてございます。 ご案内のように、中学2年生の「トライやる・ウィーク」あるいは、小学生を中心にいたしました「ウィークエンド・子ども・いきいき体験事業」、こういったことに加えまして、今年度からは新たに、中高生などが気軽に集い交流する中で、幅広い人間関係を築いていく「若者ゆうゆう広場」、こういったことも展開してございます。 ご指摘の通学合宿でございますが、普段の家庭と学校を往復する、こういった生活とは違って、地域社会の中で、いわば近所のおじさんやおばさん、あるいは、祖父母世代、こういった方々の協力のもとに、子どもたちが異年齢の、いわば兄弟交流をする。そういうことを通じて、自立心、あるいは、規範意識、社会性、こういったことを身につけていくものでございますので、新しい地域教育プログラムの一つではないかという風に考えてございます。 今後、県立嬉野台生涯教育センターで、通学合宿の実践例、こういったモデル調査も行いましたので、こういった成果も取り入れながら、「地域の子どもは地域で育てる」、こういう視点に立って、新たな取り組みが県下各地域で展開されることを期待しながら、県としても必要な支援を積極的に行っていきたいというふうに考えております。
2、「商工会のあり方」について
(石川憲幸)
質問の第2は、中小企業振興策の観点から、商工会のあり方についてお伺いしたいと思います。
一部の大手企業には景気回復の兆しが見えるものの、地方の中小企業には依然として厳しい状況が続いています。兵庫県の平成15年度予算の中で、商工費は前年度10%増という積極予算が組み込まれており、中小企業対策への意気込みと高く評価できると思います。 |
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しかし、企業融資枠は増えているものの、実態は低金利資金への借り換えが中心で、積極的な設備投資には充分使われていない一面もあるようです。その理由の一つは、景気や世界情勢が不透明で、進むべき方向が見出せていない中小企業が多く、新しい分野や第二創業に挑戦する確かな情報が掴みきれていないことにあるようです。
そのような中で、中小零細企業にとって身近な存在である商工会議所や商工会が大きな役割を担わなければなりません。特に郡部での役割を担っている商工会については、商工会議所以上に大きな課題を抱えています。
一つは、産業構造の変化などから、会員企業数が減少していることです。その理由として、景気低迷による倒産もありますが、後継者難による廃業もかなり影響しています。また、商工会費に見合ったメリットがあるのかという商工会必要論を問い直す傾向も多く見受けられます。
今一つは、国、県、町からの補助が産業振興費名目で予算配分されてきましたが、どの行政も財政が逼迫してきた状況の中で、中小企業対策として、本当に効果の上がる活動がなされているのかという問いかけです。
さらに、郡部では現在、市町合併が進んでおり、当然、商工会の合併も検討されています。その中で人員の見直しや活動内容の検討が厳しく問い直され、商工会自らが体制の強化や効率化、さらには自主財源の強化などに取り組み、組織としての自立化を目指していかなければなりません。
行政ですら「我々の仕事はサービス業である」と言い切る首長が多く見られる時代です。地域や会員に商工会としてどんなサービスを提供できるのか、真剣に考える時期がきているように思います。
そのような中で、地元氷上郡では、地元産米を使った米うどんの販売促進、地元産木材や地元業者ばかりで施工する木造住宅の販売促進、新分野に挑戦する若手経営者を育成する「経営塾」の開設など、地元企業にもっと元気を出してもらおうと活動を強化している商工会も出てきました。
県においても中小企業振興の一層の取り組み、また地域経済活性化の一助という立場から経営指導員のさらなる能力向上、地域振興事業に対する支援など商工会改革に積極的な支援を行うべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
2 商工会のあり方について
(答弁者:井戸知事)
商工会は、小規模事業者に対しまして、金融、税務、経理等の相談・指導を行います経営改善普及事業と特産品の開発や商店街の活性化、観光振興等の地域振興事業に取り組んでいます。 特に地場産業の構造変化や生活意識の変化に伴います生活パターンの広域化、あるいは地域構造としての市町合併等商工会を取り巻く環境が大きく変化する中で、地域商工業のあり方と併せて商工会自体もそのあり方を見直し、改革を進めていく必要があります。 県としましても、これまでの取り組みに加えまして、商工会が地域の総合経済団体としての機能・役割を十分に発揮できるよう、地域に新たな活力を生み出す活動を展開していただく必要があると考えています。まず、中小企業の新分野進出ですとか、第二創業の推進を図ることです。それから、地域資源を活用したアグリビジネスですとか、住民ニーズに即したコミュニティビジネス等の新しい企業を起こしていくことです。
3番目に地域通貨の導入等による活性化への取り組みを推進していくことではないかと考えています。これらの活動を一層強化・支援するほか、経営指導員の意識改革や資質向上を図るため、研修や人事交流等を促進していただく必要があります。 こうした取り組みの中、県商工会連合会を中心に市町合併等地域構造の変化を踏まえまして、商工会の活性化に向けてのこれを好機として捉え、自主的に「商工会合併等問題研究会」が設置され、商工会の合併・広域連携をはじめとする事業の活性化、組織率の向上等の推進方策について検討されているところです。いずれにしましても地域商工業のあり様は地域のあり様と関わっております。まさしくまちづくりそのものであります。まちづくり振興公社など活発な活動を展開されておられますけれども、地域の文化や歴史を活かした交流促進や地域の産物を活用した新たな商品開発、地産地消への取り組み、まちのにぎわいの創造など、地域の魅力を活かした地域づくりを進めていくことが商工会のこれからの活性化にもつながる。そのような意味で、商工会が積極的に取り組んでいただくことを私どもとしても応援してまいる所存でございます。
3、「森林整備」について
(1)「森林整備を進めるための財源確保」について
(石川憲幸)
質問の第3は、森林整備についてであります。
まず1点目は、森林保全を進めるための財源確保についてお尋ねいたします。
井戸知事が、3年前の副知事時代に、各地で開催された「地域夢会議」で県内をくまなくまわられた際、全ての地域の県民から、「森を守ることの大切さ」に熱のこもった意見が出されたと聞いております。 |
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森林荒廃は水源涵養機能の低下、土壌の流出、二酸化炭素など地球温暖化防止機能の低下、森の動物たちなどの生態系への悪影響など、既に県民の生活環境に大きな支障をきたす問題となってきています。
その課題に対して、井戸知事は、平成14年度より、「公的管理による森林整備・県民参加の森づくり」という理念のもと、「新ひょうごの森づくり」事業を立ち上げられ、平成23年までの10年間で、県内のおおむね20年生以上の緊急に間伐が必要な人工林8万7千5百haの森林整備、6千haの里山林の再生、森林ボランティア育成1万人作戦を3本柱に、積極的な森林整備事業を展開されているところであり、心から敬意と感謝を申し上げるところであります。
しかしながら、まだまだ整備を進める必要があるのではないかと思います。たとえば、本県の森林面積全体の35%にあたる19万9千haが民間人工林であり、植林後45年未満の人工林が75%の15万haあります。このうちで事業化して頂いている整備面積8万7千5百haの間伐が完了しても、なお事業対象となっていない20年生未満の約2万haが、将来的には新たに間伐を必要としてきます。
一方、県内の森林で約半分の29万7千haを占めている里山林について考えてみますと、本来、里山林はその地域の気候や土壌条件に適応したものであるため手を加えなくてもいいのですけれども、本県の場合、放置しておくと、常緑広葉樹が占有し、下草が生えなくなり、林自体が弱体化して、本来の公益的機能が損なわれると言われております。
こうした里山林については、集落周辺の3万haの整備ができれば当面の問題はクリアできると専門家の見解が示されており、「ひょうご豊かな森づくり」及び「新ひょうごの森づくり」で整備をする1万2千2百haを単純に差し引けば、まだ1万7千8百haが残ることになります。
こうした森林の整備をするためには、私なりに試算をしてみますと、まずこれまでの実績から1haあたりの整備費を仮に人工林の間伐で12万1千円、里山林の簡単な整備で45万円として計算をしてみますと、約100億程度の事業費が必要になるのではないかと思います。
さて、長期にわたる景気低迷により、平成15年度の県税収入予算額が3年前と比較して1千億円の減収になっていることや、交付税制度の見直しによる減少も考えられる中で、先ほど述べた森林保全のための予算を簡単に捻出することは容易ではありません。
しかし県内の森林を見れば、戦後植林した人工林や里山林のように、もはや整備を先送りできない時期にあることもまた事実です。
この夏起こった水俣の土砂災害や、数年前の九州で起こった風倒木被害など、森林整備を怠ることによる大災害、その災害復旧にかかる膨大な費用も考えてみる必要があるのではないでしょうか。
現在、環境省では、温暖化ガス排出抑制の切り札として、石油や石炭などの輸入・出荷段階で課税する温暖化対策税を創設し、国全体の二酸化炭素を減らすとともに、その税収の一部を使って森林整備を進めようと考えています。しかしこの温暖化対策税の導入は、日本企業の国際競争力の低下に繋がる可能性が高く、強い反発が予想されます。
本県でも「兵庫県税制研究会」が、課税自主権の具体的検討という項目の中で、森林保全のための税についての詳しい研究をされ、平成14年11月に報告書を提出されています。その中では、森林の持つ水源涵養機能に着目され、「水道の使用に対する税」が検討されていますが、人口密度が高い阪神間の上水道は、その大半が淀川水系への依存率が高いため、阪神間の水道使用者に兵庫県全体の森林整備の費用負担を求めることは合理性に欠けることになります。一方、森林の公益的機能による受益は、県民生活全般に関係し、全ての県民が享受していることに鑑みれば、兵庫県の森林は兵庫県民全体で守っていこうという趣旨のもと、「個人県民税均等割の超過課税」を導入して、全県民に広く薄く負担いただくのが、税制度として最も合理性をもつものと考えられます。
また、平成10年10月に農林水産部で実施された「森に関する県民意識調査」の結果を見ますと、森に親しみを感じている人が全体の94%。また、ほとんどの人が森に対して「水源の確保や災害の防止」に役立っていると思っており、53%ほどが「主に公的な資金」で森を守るべきだと答えています。さらに、森を育てるための募金や協力金を払ってもよいと答えた方は84%あり、このうち92%が、森を守るためであれば1年間に500円程度までなら払ってもいいと回答されています。
森林保全のための整備は急がなければならないと考えますが、一方で、厳しい経済状況での新たな負担をお願いすることについては、県民に対する十分な説明と理解を求めていくことが必要になることは当然であります。
森林保全のための税については、これまで我が会派の議員から何度か質問があり答弁を頂いているところでありますが、県民への十分な説明と理解を得ていくプロセスなどを考えると、出来るだけ早く導入に向けた一歩を踏み出していくべきであろうと思います。森林保全のための税の導入についてどのようなお考えなのかお伺いしたいと思います。
(1) 森林保全に向けた税の導入について
(答弁者:井戸知事)
森林は、水源涵養や土砂の流出防止をはじめ、大気の浄化、安らぎの空間の創出など多様な機能を果たしています。県民生活に密接に関わっていますが、社会経済環境の変化に伴いまして、森林との関わりが薄れてくるなか、森林の持つこのような公益的な機能が低下するとともに、その整備・保全は、私どもが取り組まなければならない課題になってきています。このため、「新ひょうごの森づくり計画」に基づきまして、まず、森林管理の徹底、2番目に里山林の活用、3番目に森林ボランティアや後継者の養成に取り組んでいるところでありますが、県民の間におきましても、森林の重要性についてかなり意識が浸透してきているのではないかと考えております。 一方、森林保全を図るため、課税自主権を活用して、個人県民税均等割の超過課税を実施することにつきましては、昨年11月の税制研究会の報告書においても、「森林の公益的機能の重要性や受益の内容についての理解の促進を図りつつ、さらに検討を進めるべき」といわれているところで、わたくしは、森林の持つこのような多面的機能を県民一人ひとりが理解し、森林の保全に協力している、参加しているとの共有意識をもとに積極的にこの問題は検討していくべき政策課題であると考えております。 これまで、研究会の報告を受けて、課税案や使途等について内部的な検討を進めてきておりますが、さらに、森林関係者、一般有識者、学識経験者などからなる検討委員会を近々発足させ、現在国で検討されております個人住民税均等割の見直しや温暖化対策税制の動向にも、ご指摘のように留意しつつ、具体的な検討を進めてまいりたいと考えています。
(2)「環境保全に配慮した森林整備」について
(石川憲幸)
2点目は、森の生態系や環境保全に配慮した森林整備についてであります。
終戦後、住宅木材需要の高まりを受けて、全国一律に杉、檜などの経済林ばかりが植栽され、今日に至っています。昭和40年頃までは、比較的需給バランスが取れていたために、木材価格も安定しており、枝打ち、間伐、伐採、植林など森林整備が順調に推移していました。ところが、外材の大量輸入や木造住宅着工数の低迷で、木材価格は下落の一途を辿り、それに伴なって森林整備は滞ってしまいます。
本来、高木、中木、下草など5層構造になっていなければならない森林は、杉、檜の人工林では単一樹種であること、手入れが行き届かないために日光が地面まで届かず、下草などが育たないため、山の斜面は土砂が剥き出しの地肌となっており、少しの雨でもかなりの土砂が流出し、大きな災害をもたらす原因ともなっています。また、野生動物の生息する環境とは程遠い状態でもあります。
今後の森林整備の一手法として、杉や檜の経済林の整備と合わせて、広葉樹も植栽する混交林化を進めていくことも検討すべきではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
(2) 今後の森林整備のあり方について
(答弁者:井戸知事)
山が荒れている、山が泣いているといわれる中で、「森は県民共通の財産」として、県民のみなさんとともに意識し、従来の森林整備に加えまして、森の再生・回復をめざした「新ひょうごの森づくり」に取り組んでいるところでもあります。
ご指摘のように、人工林はスギ・ヒノキなど単一樹種であるために、台風などによる倒木や大雪による幹折れ、また、病害虫被害を受けやすいなどの欠点があります。また、季節感が最近は感じられなくなったなど、景観的にもいろいろな問題が指摘されています。 このため、昨年度から、スギ・ヒノキを伐採した後に、植栽せずに放置された跡地に広葉樹を植栽したり、間伐した跡地に広葉樹を植栽して複層林化を図り、自然林に近い森林へ誘導する「循環の森整備事業」を進めております。宍粟郡一宮町河原田地区や山南町岡本地区などで取り組んでいるのがこれでございます。 今後は、引き続き針葉樹と広葉樹の混交林化や複層林の造成を進めていきたい。スギ・ヒノキの人工林をモザイク状に伐採してケヤキ、ミズナラ等の広葉樹を植栽する方策も有効だと考えております。野生動物の生息しやすい森林や環境保全にも配慮しながら多様な森林整備に努めてまいります。
(3)「山林地籍調査の全県的取り組み」について
(石川憲幸)
3点目は、山林地籍調査の全県的取り組みについてであります。
森林についての課題の一つに、境界の確定ということが上げられます。
このため地籍調査により、一筆ごとの土地について、その所有者、地番、地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、「地籍簿」と「地籍図」を作成し、土地登記簿に反映させることが必要です。これは土地に関するあらゆる施策の基礎資料でもあります。 しかし、地籍調査は遅々として進んでおらず、特に山林については、全国平均38%に対し、本県は4%の進捗という低い数字になっております。
宅地については、日常接する機会が多いだけに、いざという時には境界に関する何らかの情報収集が可能な場合が多いのではないかと思いますが、山林となると、普段は疎遠な場合がほとんどで、山林所有者の高齢化や相続人の代替わりなどを考えると、今後境界の確認はさらに困難になることが予測されるのです。さらに、植林を請け負われた森林組合の人たちが、高齢化が進む中でリタイアされ
ていくと、境界確定の作業はさらに困難になっていくでしょう。
地籍調査は大変な事業だとは理解しておりますが、今の段階で、山林の境界を明確にさせておくことが重要であり、山林の地籍調査の一層の推進を図るべきだと思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
(3) 山林地籍調査の全県的取組について
(答弁者:黒田農林水産部長)
本県の地籍調査は、農業基盤やあるいは都市基盤の整備とあいまって、平地部においては比較的進んでまいりました。しかし、ご指摘のように、山林部においては着手率が低く、これまでに調査を実施しておりますのは、町全域を完了しました宍粟郡の一宮町のほか4町に留まっております。 近年、高齢化が進展し、山林の境界などに精通した人が少なくなりつつあることから、山林部の地籍調査の推進が急務であると認識しております。 このため、本年度、事業費の市町負担軽減と、森林組合の活用を併せて行う「山林部緊急地籍調査モデル事業」を創設いたしますとともに、普及啓発に努めてまいりました結果、新たに6町が取り組みをはじめたところでございます。 地籍調査の推進には、多くの県民の理解と協力が必要なことから、本年の11月には「地籍調査推進フォーラム」を開催し、調査着手への気運を一段と高めることとしております。 今後とも、国に対しましても市町職員の人件費補助を始めとした支援制度の拡充を要請してまいりますとともに、地籍調査の効果事例を活用して広く啓発し、より一層の地籍調査の推進を図ってまいりたいと考えております。
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